2020.09.24ブログ
夜尿症、鍼で改善は可能?
夜尿症でお困りのお子様、またはご家族の方、鍼灸という手段をお考えになったことはございますか?
今回は、夜尿症と鍼について書いていきたいと思います。
目次
- ○ 夜尿症とは
- ○ 原因
- ○ 生活指導や治療に際しての注意事項は?
- ○ 現代医学的鍼灸治療
夜尿症とは
生まれて2歳ごろまでの子どもは毎晩おねしょをしますが、その頻度は年齢とともに減っていきます。
「おねしょ」と「夜尿症」の違いは年齢がポイントです。乳幼児期の夜尿を「おねしょ」といいますが、5歳以降で月1回以上のおねしょが3か月以上続くものは「夜尿症」と定義されています。
ときどきおねしょをしてしまう程度の子どもの比率は5~6歳で約20%、小学校低学年で約10%と減少しますが、10歳児でも約5%にみられます。ごくまれに成人まで続くケースもあります。
原因
夜間睡眠中には排尿を少なくする2つのメカニズムがあります。ひとつは、夜間に抗利尿ホルモンの分泌が増加することにより、尿量が昼間の約60%に減少します。もうひとつは、自律神経のバランスにより、夜間睡眠中に膀胱で尿を貯める力(膀胱容量)が昼間の約1.5倍に増加します。
このような、夜間睡眠中の尿量の減少、膀胱容量の増加は成長とともに発達し、3~4歳を過ぎると、多くは夜間睡眠中の尿量を朝まで膀胱に貯めることができるようになります。
夜尿症の子供は、夜間睡眠中の抗利尿ホルモンの増加が少なく、尿量の減少が不十分であったり、自律神経のバランスが未熟で膀胱容量の増加が不十分なために、夜間睡眠中に膀胱容量以上に尿ができ、睡眠中に尿意が発生します。そして、子供は生理的に眠りが深いために、この尿意では覚醒することができずに夜尿をすることになります。
さらにこのような原因に、膀胱機能及び成熟の遅れ、精神的ストレス、遺伝的因子などが複雑に影響していると考えられていますが、精神的ストレスについては小さいときから続いている夜尿症では明らかな因果関係は少ないようです。
生活指導や治療に際しての注意事項は?
夜尿症の生活指導には、水分や食物を制限するという考え方もありますが、根本的な治療とはいえません。体を極端に冷やすような飲食や、就寝の直前に多量の水分を取ることは控えた方がよいですが、その他はあまり制限する必要はないと考えます。
また、ご家族が夜尿をしかったり、治すことをあせったりしても、逆効果になることもありますので、おおらかな気持ちで接するように心がけて下さい。
現代医学的鍼灸治療
小児はりは、それぞれの子どもにあった適切な刺激量で行います。子どもに「はり」と聞くとびっくりするかもしれませんが、皮膚表面を数分程度さするだけのものや、先の丸い金属の棒を軽くあてるもの、ローラー型の美顔機のようなものでコロコロとなでることもあります。それらを使って、下腹部・背部・腰部・仙骨部・上腕・下腿に施術を行います。
小児鍼をすると、自律神経が整い、しあわせホルモンのオキシトシン(授乳中の母親から出ていることで有名)が分泌されることが科学的にわかっています。心地良い刺激としあわせホルモンの分泌により、ストレスや冷えで硬くなった筋肉も緩和され自然治癒力が高まるそうです。自律神経はホルモンバランスの回復にも大きく影響しています。
鍼灸施術は体質を改善させるように誘導していく素晴らしい施術方法です。ですので、上記のように、自律神経が整う、自然治癒力が高まるということも考えられます。その背景には、先ほど述べた、体質改善というところにあります。体質が改善するということは、体の機能が正常になっていきますので、その結果、夜尿症の改善に繋がってくることが考えられます。
当院でも夜尿症の方を施術させていただいてますが、施術の経過を見ていくのに問診や、触診などで体の変化が伺えると、夜尿症の改善度合いも伺えてきます。
改善度合いには個人差がありますが、今まで夜尿症でご来院されている方々からは症状が治まった、頻度がかなり減ったなどのお声を頂いております。
お困りの方は是非、ご相談頂ければと思います。
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